AI搭載のCOPD診断ツール「N-Tidal Diagnose」、イングランド全土のGP診療所で導入へ

英国では、AI（人工知能）を活用した画期的なCOPD（慢性閉塞性肺疾患）診断ツール「N-Tidal Diagnose」が、4月14日からイングランド全土のGP診療所（一般開業医）で導入される予定です。これにより、COPDの診断が大幅に迅速化され、精度も向上することが期待されています。このデバイスは二酸化炭素センサーとAIを組み合わせて、患者の通常の呼吸パターンを解析し、5分以内に診断結果を提供します。今後、英国全域での展開も計画されています。

現在、COPD診断の標準的手法はスパイロメトリー（肺機能検査）ですが、これは患者が強く息を吐く必要があり、30分から90分かかることもあります。N-Tidal Diagnoseは、通常の呼吸中にCO₂レベルを測定することで、診断プロセスを大幅に簡素化し、数分で結果を返すことができます。医療専門家からは、「ゲームチェンジャー（画期的）」と称されています。

COPDは、肺気腫や慢性気管支炎などを含み、長期的な呼吸困難を引き起こします。このデバイスは、EU医療機器規則に基づくCEマーク認証を取得しており、英国の医療テック企業TidalSenseによって開発されています。同社は現在、喘息の診断用途としての活用も研究しています。

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TidalSenseのCEO、アミーラ・パテル博士は次のように述べています：

「N-Tidal Diagnoseは、過去数十年で初めての実質的なCOPD診断におけるブレークスルーです。患者と医療体制の両方のニーズに応え、NHS全体に展開可能な設計となっています。」

英国では約120万人がCOPDと診断されており、さらに200万人が未診断の可能性があるとされており、このデバイスは早期発見の促進と医療システムへの負担軽減に貢献すると見られています。

パテル博士はまた、同デバイスがNHSの待機時間短縮や臨床スタッフの効率的な活用という政府目標の支援にもなると述べています：

「このシンプルな装置により、待機リストの大幅な削減、患者体験の改善、正確な診断の提供、そしてCOPDに悩む何百万人もの人々にとって、より良いケアの提供が可能になります。」

同技術は喘息診断への応用も試験中であり、研究結果に基づき臨床使用の拡大が検討されています。

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サフォークの開業医サイモン・ラドランド医師も、この革新を高く評価し、次のように述べました：

「COPDはNHSにおいて最も診断されにくく、誤診されやすい疾患の一つです。スパイロメトリーには専門的な訓練と設備が必要で、患者は長時間待たされることが多いのが現状です。このような迅速かつ正確に肺の健康を評価できる機器が登場すれば、一次・二次医療における呼吸器ケアに革命をもたらすでしょう。」

N-Tidal Diagnoseの4月からの導入により、英国における呼吸器疾患の診断・管理において、大きな転換点となる可能性があります。